2022年1月19日にツイッターのスペースで「血のバレンタイン」の雑談会を行った。
そのために「血のバレンタイン」とリメイク作「ブラッディ・バレンタイン3D」を久々に見たのだが、今回はこの二作品についてまとめてみた。
本記事を読むことで、「血のバレンタイン」のオリジナル作品とリメイク作品について、ざっくりと知ることが出来る。
紹介するのは以下の二作品である。
ブラッディ・バレンタイン3D(2009)
作品紹介
血のバレンタイン(1981)
↓劇場公開時のパンフレット
あらすじ
炭鉱産業がある町で2月14日のバレンタインデー、パーティに興じる中、7人の炭鉱夫が現場で働いていた。
作業を終えた2人は坑内の残ガス量のチェックを行わずにパーティへと急いだ。
ガスが爆発し炭鉱とともに5人は埋もれ、捜索に6週間かかった。
唯一生き残ったのでハリー・ウォーデンであった。
ハリーは1年後のバレンタインデーに病院から抜け出し、事故の原因をつくった2人を殺し、心臓をえぐり出しバレンタインチョコの箱につめこみ町は恐怖に陥った。
以来、街ではバレンタインのパーティは禁止となった。
そして、20年後、街を出て戻って来たT.J.、元カノのサラと現恋人のアクセルなど炭鉱の町の若者たちは再びバレンタインのパーティを開催しようとしていた・・・
映画紹介
1981年「13日の金曜日」「バーニング」といったスラッシャー映画ブームに出て来たカナダのスラッシャームービー。
※80年代のスラッシャー映画についてはこちらを参照:「80年代のスラッシャー映画について【入門編】」
1986年2月8日 フジテレビ「ゴールデン洋画劇場」でテレビ放送された。
スラッシャー映画ながら、元カレT.J.といまカレのアクセルの間で揺れ動くサラの三角関係を描いた青春ホラー?でもある。
現在、流通されているDVDはカット版であり、わたしが持っている北米のスペシャル・エディション(わたしが所持しているのはDVD)では特に残酷シーンが9分間10箇所ばかり削られたフッテージが特典映像として収録されている。例えば以下のシーン
・冒頭の娼婦が壁につきさしたツルハシに叩きつけられ胸からツルハシが貫通する
・殺されたメイベルの死体がランドリーから飛び出し、ぐるんぐるんまわる
・若者たちを驚かそうと人形を仕込んだじいさんの頭をツルハシが貫通し目だまが飛び出る
・ネイルガンで釘をこめかみと額に撃ち込まれるホリス
・カップルの片方(シルビア)がシャワー室の蛇口に頭をたたきつけれ貫通する
・おちょうしもののハワードの首吊り死体の首がワイヤーでちぎれる
・腕を岩にはさまれた殺人鬼が自分の腕をナイフで切る
など
しかし、これを含めても完全版ではないらしく、日本で劇場公開された版が完全版だとされている。
残念ながらわたしは劇場公開時に劇場で見ていない。
炭鉱でエッチするカップルが串刺しになるシーンで死体が映像で出て来るが串刺しにする場面などがあったらしい。
これは実際に劇場で見たひとしかわからないし、知り合いにもほとんど見たことがある人がいないので話を聞いてみたい。
アクセル役のニール・アフレックはこの映画ののちにアニメーターとなり「シンプソンズ」などを手がけている。
マイ・ブラッディ・バレンタインというバンドの名前の元ネタである。
監督:ジョージ・ミハルカ
音楽:ポール・ザザ
出演:
T.J.:ポール・ケルマン
サラ:ロリー・ハリアー
アクセル:ニール・アフレック
音楽:
エンディングとしてかかる「The Ballad of Harry Warden(ハリー・ウォーデンのバラード)」は切ない感じの名曲。
ブラッディ・バレンタイン3D(2009)
あらすじ
小さな町の炭鉱でバレンタインデーに新人作業員が炭鉱で事故を起こし5人が生き埋めになってしまう。
唯一の生き残りであるハリー・ウォーデンは病院で目をさまし、スタッフを皆殺しにし病院から脱走し炭鉱に逃げ込む。
そして、10年後のバレンタインデー、再び惨劇は繰り返される・・・
映画紹介
3D映画として作成され、こちらへ向かって飛んでくるツルハシなど、3Dを意識した映像となっている。
大まかなプロットはオリジナルと一緒で、オリジナルでTJという愛称で呼ばれていた若者はトム・ハニガーという名前になっている。
トムとサラとアクセルの三角関係は本作でも描かれる。
また、オリジナルでは復讐シーンでわずかだった殺人鬼ハリー・ウォーデンの凶行が本作では多く描かれている。
病院から脱走するシーンの殺戮はすさまじい。
トム・ハニガー役はテレビ・ドラマシリーズ「スーパー・ナチュラル」で悪魔ハンターのウィンチェスター兄弟の兄役のジェンセン・アクセルが演じている。
自分は劇場で3Dメガネで鑑賞したが、なかなか面白かった。「プロムナイト」「テラー・トレイン」などリメイクのホラー作品が作られているが、オリジナルに比べると個人的には残念な作品が多いなか、なかなか見せる演出で楽しめた。
また、オリジナルにあったランドリーから死体が出て来るシーンなどオリジナルへの敬意あるところがあり好感を持てた。
監督:
パトリック・ルシエ
「ドラキュリア(2000)」「ドラキュリア2鮮血の狩人(2003)」のシリーズやニコラス・ケイジ、アンバー・ハード主演「ドライブ・アングリー(2011)」といったわたしが好みの作品の監督でもある。
出演:
トム・ハニガー:ジェンセン・アクセル TVシリーズ「スーパー・ナチュラル」
サラ:ジェイミー・キング 「シン・シティ」
アクセル:カー・スミス 「ファイナル・デスティネーション」
パーク:トム・アトキンス 「ザ・フォッグ」「ニューヨーク1997」
↓劇場公開時のパンフレット
最後に
わたしは「ゾンビ(1979)」のSWAT隊員をイメージした。
ちなみにバレンタイン・デーとは以下とのことである。
西暦269年2月14日にローマ王に処刑された司祭ウァレンティヌスを祭る祭日が起源と言われる。
当時、若野たちが戦争に行きたがらないのは、妻や子たちが故郷にいるためであり、結婚自体が禁じられた。
ウァレンティヌスは外地へ出征する若者たちのために極秘裏に結婚の儀式を取り行っていた。

R.I.P. ポール・ケルマン(T.J.)
先日(2022年1月30)、オリジナルの「血のバレンタイン」の主演のひとりTJ役のポール・ケルマンがなくなったそうである。
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