2024年2月10日(土)22時~開催の血まみれオールナイトへ行って来た。
備忘録のための簡単なレポートを残しておく。
開始まで
久々のオールナイトの4本映画鑑賞ということもあり、2時間ほど仮眠をとってから出発した。
晩ご飯を外食するということも考えたが、家で食べて行ってからの方が安上がりと思い食事は家で肉野菜を食べて20時ごろ家を出発。
場所は池袋東口の新文芸坐。22時からの開演だった。
21時20分ぐらいに到着。こういうイベントにはよく集まる友人たちがいたので、入場まで話をしながら時間を過ごした。
座席の入りはかなり盛況。約260席の8割は埋まっていた気がする。
トークショー
22時からトークショー、登壇者は元映画秘宝編集長の田野辺氏、映画監督で最近はライター活動をしている鶴田法男氏、イタリアンホラーに詳しい映画ライターの山崎氏が登壇した。
各映画についての見どころ解説をした。むかしフナイのVHS企画を担当していた鶴田氏のB級映画を買いつけていた頃、「キルボット」の監督作「The Lost Empire(1984)」のタイトルを当時シュワちゃんの「コマンドー」のヒットを参考に「未来戦士エンジェル・コマンドー/帝国の崩壊」の邦題の名づけ親で、このビデオがヒットしたので他社からビデオで出た「キルボット」を応援していた。などのエピソードが面白かった。
1本目「ドクター・モリスの島 フィッシュマン(1979)」
囚人を護送していた船が難破し、囚人数名と軍医のクロードが、カリブ海の孤島に漂流する。
クロードはなんとか密林を乗り越えた先には原住民や、謎の半魚人を使役する男の支配する島だった・・
監督はセルジオ・マルティーノ。「片腕サイボーグ」やマカロニ・ウェスタン「ハチェット無頼」、傑作ジャーロ「影亡き淫獣」の監督である。また、オールナイト4作目「パニック・アリゲーター」の監督でもあり、出演者、セットなどを使いまわして同じ年に撮影をしている。
オープニングのトークショーでも話が出て来たが、本編にはドクター・モリスという男は出てこない。配給会社が「ドクター・モローの島」を元に勝手につけた当時のホラー、SF映画に日本配給時に使われた煽りネーミングだと言われている。
他の作品もそうだが、ブルーレイ化発売に伴い画質が格段にあがっており、大スクリーンでみると昔見た映画はなんだったんだろう?というぐらい印象があがる。
主演は島に流れ着く軍医にクラウディオ・カッシネッリ、島に居る美女に「007私を愛したスパイ」のバーバラ・バック。島の独裁者は「サンゲリア」のリチャード・ジョンソン。生物学の博士役にジョセフ・コットン。後述するが「パニック・アリゲーター」とキャストが重複しており、同時に2作作ったようである。
バーバラ・バックはそれほど好きな顔立ちの女優ではないが、本作の見どころは島の紅一点である彼女の凛とした美しさ(馬に乗っているシーン)だと思う。
昔ビデオで見たときはつまらない映画だと思って流し見していたが、高画質の巨大スクリーンで見るとなかなか楽しめる映画だと思った。
半魚人のスーツや水棲人間に改造された人間などの特殊メイクはなかなかに気色悪かった。また、海底都市などのセットはなかなか作り込まれていた。
全体を見直してみるとモンド的な原住民、モンスターパニック、人体を改造するマッドサイエンティスト、火山により滅びゆく島、海底の黄金都市といったごった煮だが、スケールの大きいストーリーを構築しようとしていたのではないかと思われる。こちに予算は使い切ったので、「パニック・アリゲーター」は予算がなくなりミニチュアを多用した感がある。
2本目「死体と遊ぶな子供たち(1972)」
映画を撮影に島に来た劇団の若者たち。演出家で団長のアランはパワハラを行使し、劇団員たちを使い島の墓を掘り起こし、死体復活の儀式を行う。やがて死体たちが甦り・・・
のちに傑作スリラー映画「暗闇にベルが鳴る」を撮る監督ボブ・クラークが学生仲間と2週間程度で撮影した低予算ゾンビ映画。
昔ビデオで見たときは、画面も暗くなにが起こっているかよくわからず、前半は展開が少なくつまらない映画だと感じ寝落ちしてしまい、3回くらい見直してやっと完走した映画だった。
今回は、画質が鮮明となっており、劇団員たちのカラフルでサイケデリックな服装も新鮮だった。前半はゾンビが蘇生する儀式まで長く退屈であったが、大スクリーンで見たこともあり、ビデオで見た数倍は面白みを感じることが出来た。劇団員を演じる女性たちもなかなか魅力的な感じがした。
団長の行動がいちいちパワハラで、劇団員の契約破棄をちらつかせながら劇団員を従わせて、死体を堀りおこし禁忌を犯すところは見ていてイライラしてしまった。
後半はロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」を絶対意識しただろう思わせるシーンが多数。山小屋をゾンビたちが取り囲み窓や扉から侵入しようとするゾンビを板を打ち付けて封鎖するというシチューエーションは楽しめた。
ラストはフルチのある映画を彷彿させる。
3本目「キルボット(1986)」
大型ショッピングモールでお披露目された3機のガードロボット。最新のAIを搭載し、ショッピングモールで起こる犯罪を監視し制圧するのである。
しかし、落雷によって暴走したロボットたちは殺人マシーンと化す・・・
今回のオールナイトは本作を目当てに来たひとが多いと思う。僕もそのひとりである。
他の3作品が、どれもブードゥーなど呪術的なモンド的な作品をテーマだったが、本作はショッピングモールを舞台としたいかにも80年代的な明るいSFホラー作品で一番楽しめた。
80分という短い尺の中で、無駄なシーンは一切なくサクサクと見れた。キルカウントもテンポよくお色気シーンも多くおすすめな一本である。
仲間のフォロワーさんから聞いたが、ヒロイン役は「ナイト・オブ・ザ・コメット」の妹役のケニー・マロニーとのこと。スクリームクイーンで有名なリネア・クイグリーもちょっとだけ登場する。
トークショーでも話だ出たが、本作に出て来るショッピングモールは、撮影に使われるので有名らしくシュワちゃんの「コマンドー」や友人によると「初体験リッジモンド・ハイ」の撮影でも使われていたらしい。
サントラが恰好いい!!
4本目「パニック・アリゲーター(1979)」
未開のジャングルを観光地として商売をする施設(ジュラシックパークのようなイメージ?)にカメラマンとして来た男と、施設の経営者の妹がいい仲となり、川に棲む原住民が神とあがめる巨大ワニと対峙することになる。
監督は前述の「ドクターモリスの島~」の監督と同じセルジオ・マルチーノ。主演二人や出演者も重複しており、立て続けにモリスと本作を撮ったのと思われる。モリスで予算をつぎ込みすぎたのか、巨大ワニのゴム人形(かわいいw)や火災のシーンでのセットなど予算不足が見受けられるが、それはそれで味わい深い。
巨大ワニと、部族襲撃の挟撃というシチューエーションがいままで見たことがなく、なかなか楽しめた。
カメラマン役にクラウディオ・カッシネリ、施設の経営者の妹役はバーバラ・バック。
余談だが、クラウディオ・カッシネリはセルジオ・マルチーノの映画「鉄の拳?」の撮影中にヘリの墜落事故で亡くなっている。
最後に
今回の4本は、昔ビデオやテレビ放送で見てキルボット以外はさほど惹かれる作品ではなかったが、画質が格段によくなり、暗くて昔の素材では見えなかった部分も鮮明となっていて、それを劇場の大スクリーンで見ると別物の映画を見ているような印象となり、前に見たときに数倍楽しめることがわかった。まあ、ストーリーが退屈なシーンは多々あったのではあったが、それもB級映画の愉しみのひとつということで。
仮眠をとってから行ったので、前に行ったオールナイトに比べて寝落ちすることはなかった。
振り返り会ということで、鑑賞後にマクドナルドに寄って2時間ほど雑談してから帰宅した。
春ぐらい?に血みどろオールナイト2024は第二弾もあるみたいなので、それにも期待したい。
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