最新刊!「魔界都市ブルース 媚獣妃 」(2023/7発売)
過去に菊地秀行先生の小説として「吸血鬼ハンターD」のシリーズについて書いたが、もうひとつの菊地先生の代表作といえるのが、「魔界都市ブルース」のシリーズだ。
魔界都市ブルースとは
作家の菊地秀行氏が1986年から(なんと35年)も書き続けているホラー・SF伝奇アクション小説。
二十世紀末。新宿が直下型の”魔震”と呼ばれる大地震に見舞われ、新宿区のみが、幅200メートル、深さ50kmの亀裂に囲まれ孤立する。
ほぼ壊滅状態に新宿に、さらに怪物・妖物などが現れる魔境と化す。
この”魔界都市”となってしまった“新宿”を舞台に、”魔震”の落とし子ともいうべき、美貌のマン・サーチャー(人探し屋)が現れる。
彼の名は、”秋せつら”、普段は茫洋(ぼうよう)とした”秋せんべえ屋”の主人である。
しかし、彼が一般人と違うのは、類まれなる美貌を持っているのである。
偏向レンズ付きのサングラスをかけなければ、まともに顔を見ることは出来ないぐらいの容姿である。
裏の顔は、”魔界都市新宿”きってのマン・サーチャー(人探し屋)。哀しみを抱えた多くは区外からこの”魔界都市新宿”へやってきては、行方不明になることが多いことから、マン・サーチャーの仕事はニーズがあるのである。
”秋せつら”の武器は、不可視のチタン製の糸である。通称”妖糸(ようし)”である。
この”妖糸”は索敵のためのセンサーにもなり、あらゆる機械も操り、死者ですらも操り、攻撃する際には鋼鉄さえも切り裂く刃となる。
しかし、強敵が多い”魔界都市新宿”では、この糸さえ、通用しない相手がいる。
だが、美貌の魔人、”秋せつら”が自分の呼び名を『ぼく』から『わたし』に変えたとき、チタン鋼の糸があらゆるものを切り裂く!
魔界都市ブルース(短・中編集)
魔界都市ブルース2 哀歌の章 1989年1月
魔界都市ブルース3 陰花の章 1992年7月
魔界都市ブルース4 蛍火の章 1993年2月
魔界都市ブルース5 幽姫の章 1996年7月
魔界都市ブルース6 童夢の章 1998年12月
魔界都市ブルース7 妖月の章 1999年7月
魔界都市ブルース8 孤影の章 2001年9月
魔界都市ブルース9 愁鬼の章 2004年5月
魔界都市ブルース10 幻舞の章 2007年2月
魔界都市ブルース11 恋獄の章 2010年9月
魔界都市ブルース12 愁哭の章 2012年2月
魔界都市ブルース13 鬼郷の章 2014年8月
魔界都市ブルース14 霧幻の章 2017年2月
魔界都市ブルース15 愁歌の章 2018年6月
魔界都市ブルース16 影身の章 2020年5月
魔界都市ブルース17 錦愁の章 2022年6月(2022/6/15追加)
長編小説
魔王伝2 1986年10月
魔王伝3 1987年3月
双貌鬼 1988年1月
夜叉姫伝1 1989年7月
夜叉姫伝2 1989年10月
夜叉姫伝3 1990年1月
夜叉姫伝4 1990年7月
夜叉姫伝5 1990年11月
夜叉姫伝6 1991年4月
夜叉姫伝7 1991年7月
夜叉姫伝8 完結編 1997年10月)
鬼去来1 1999年9月)
鬼去来2 1999年9月)
鬼去来3 1999年10月)
死人機士団 1994年7月
死人機士団 1994年9月
死人機士団 1994年12月
死人機士団 1995年7月
緋の天使 1995年12月
ブルー・マスク 1997年1月
〈魔震〉戦線 1997年6月
ブルー・マスク 完結編 1997年7月
〈魔震〉戦線 完結編 1998年5月
シャドー “X” 1999年1月
魔剣街 2000年2月
紅秘宝団 2000年7月
紅秘宝団 完結編 2000年12月
青春鬼 2002年6月
青春鬼 魔人同盟 2002年10月
青春鬼 魔人同盟 完結編 2003年3月
闇の恋歌 2003年12月
青春鬼 夏の羅刹 2004年10月
妖婚宮 2008年5月 ※挿絵イラストは小畑健
【魔法街】戦譜 2010年2月
狂絵師サガン 2012年9月
美女祭綺譚 2014年3月
わ 2014年12月
屍皇帝 2015年10月
【魔界】選挙戦 2016年4月
【新宿】怪造記 2016年9月
ゴルゴダ騎兵団 2017年5月
黒魔孔 2017年12月
餓獣の牙 2018年5月
傭兵戦線 2018年10月
幻視人 2018年12月
紅の女王 2019年8月
闇鬼牙 2020年2月
天使たちの紅い影 2020年9月
傀儡人の宴 2021年12月
乃伊綺譚 2023年1月(2023/2追記)
媚獣妃 2023年7月(2023/7追記9 ※最新刊!
菊地秀行先生のサイン
2013年に新宿ロフトで「吸血鬼ハンターD」の小説に頂いた氏のサイン
最後に
「魔界都市ブルース」も以前紹介した「吸血鬼ハンターD」と同じく30年以上も続いている人気シリーズである。菊地秀行版「ジキルとハイド」とも言えよう。しかし、彼の容姿は類まれなる美貌を備えているのである。
世の中とは隔絶された架空の新宿が舞台なので、菊地秀行先生の好きなキャラクターをつめこみ放題。
ホラーやSF映画好きの菊地秀行先生ならではの、吸血鬼や人狼、サイボーグ、切り裂きジャック、や西部劇のガンマン、人形娘など魅力的なキャラクターが満載である。
また、菊地秀行先生お得意のエロ・グロ・バイオレンス描写も容赦ない。
また、本作には”秋せつら”に負けないくらいの美貌のキャラクター”魔界医師メフィスト”が登場する。
”魔界医師メフィスト”は別のシリーズ作品が作られている人気キャラクターである。
最初にこのシリーズで読んだのは、長編作の1作目「魔王伝」だ。
”秋せつら”と同じく、”妖糸”を繰り出す、鏡像ともいうべき宿敵”浪蘭 幻人(ろうらんげんと)”との対決は、初期作品ながらシリーズ前編通しても傑作である。
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