ガンプラのプラモデル(通称ガンプラ)の品不足が最近加速している。
量販店では1人1個までしか購入できなくなり、それ以前にいつも売れずに残っているガンプラ以外は見ることはなくなってしまっていた。
棚もすかすかになり、エリアも縮小してしまった。
本記事を読むことで、1980年代中頃に発売された接着剤を使う旧キットガンプラをアレンジしてどこまで出来るかを知ることが出来る。
今回は「パラスアテネ」というモビルスーツを選んでみた。
制作は今年の2月ぐらいだが、記事にするのに時間が空いてしまった。
↓今回の改造前と改造後の画像
最初に
最近、ガンダムの再放送を動画配信で見て、ガンプラを作りたい熱が再燃して来た。
手に入らない、もしくは、プレ値がついて売られている中、ガンプラを安く買うにはどうしたらいいか?と考えた結果、次の結論に落ち着いた。
・比較的安めの旧キットを探す。
ひとつめの完成済の安いものを見つける。
特に武器や背中のバックパックやパーツが欠品しているものはジャンク品としてメルカリなどで比較的安く購入出来る。
武器は他のガンプラのあまり物の流用、パーツの欠品などはあまったパーツを組み合わせてオリジナルデザインのものを作ってしまえばよい。
ふたつめの旧キットとは、接着剤を必要として初期のガンプラである。近年のキットみたいにデザインは洗練されていない。やぼったいデザインではあるが、今回の作例みたいゼータガンダムのものだと、改造すればそこそこ見れるキットもある。
今回もこの旧キットを以下に恰好よく改造できるかにチャレンジしてみる。
旧キット1/144「パラスアテネ」
パラスアテネとは
「機動戦士Z(ゼータ)ガンダム」に登場するモビルスーツ
主人公カミーユたちのエゥーゴと敵対する地球連邦軍の精鋭部隊ティターンズのトップの一人、パプテマス・シロッコのジュピトリス艦内で独自に作られた機体。
大量の装備を搭載できる重モビルスーツ。特に対艦武装が多く、二連ビームガン、背部に対艦ミサイル8基、両肩に拡散ビーム砲、両腕にメガビーム砲を備えている。
パイロットは、元はエゥーゴでティターンズに寝返ったレコアである。小説版ではサラが登場している。
TVでが45話~49話にかけて登場する。
今回の元キットについて
今回の元キットの素組はこちら
気になった点
- 頭でっかちでパッケージと似ても似つかない
- 背中のムーバブルシールドが角度がついていないので恰好悪い
- 腰アーマーの位置かいまいち
- 致命的なのは武器がまったくついてない。重モビルスーツにもかかわらず背中のミサイルどころ二連ビームガンすらついていない。また円形シールドもついていない。
- これも旧キットなので当然だが全体が蛍光グリーンなので塗装は必須である
- 全体的にディテール不足
そして以下の改造のコンセプトをまとめた。
少ない改造で旧キットをいかに格好良くリメイク出来るかを目標とした。
・背中のムーバルシールドにジョイントを追加して可動させる
・腰アーマーの位置の変更
・対艦ミサイル、二連ビームガンといった武装の追加
・シールドの自作
・プラバンやリード線などによりディテールの追加
・全体の塗装
顔の小顔化とツノのプラバンによる再作成
「人形は顔がいのち」とCMでもあるように「ガンプラも顔がいのち」だという持論
頭がでかすぎるので、下半分を切断し、下はエポキシパテで作成
角はプラバンを切り出して作成
これで大分印象が変わったはず
↓頭のパーツを思いっきり切断
↓エポキシパテは二種の粘土みたいのを混ぜ合わせると化学反応で硬化する加工しやすいパテである。ただし、かなりべたべたするので水をつけならが形を整えていくとべたつかない。
早く加工したいので、速硬化タイプを使用した。
↓頭の下部切断には精密ノコギリを使用したタミヤのが優れモノ。取り付ける持ち手が必要なのでモデラーズナイフを流用
工具 クラフトツールシリーズ No.094 精密ノコギリ エッチング製 タミヤ
工具 クラフトツールシリーズ No.098 モデラーズナイフ PRO タミヤ
背中のムーバルシールドにジョイントを追加して可動させる
背中のムーバルシールドは可動せず、角度が上から見て直線に左右並んでいて恰好悪いので、「旧キットディジェ」のときと同様に背中にボールジョイントをつけて、角度をつけられるように改造した。
↓ボールジョイントは色々と種類が出ているので、いくつか持っておくといいかも。
ウェーブ BJ-03 ボールジョイント 3mm BJ033mm
腰アーマーの位置の変更
腰アーマーの位置が上過ぎて恰好悪かったので、足の太ももパーツに穴をあけて、プラ棒で足に固定した。
対艦ミサイル、二連ビームガンといった武装の追加
さすがに「これはないだろ!!」と思ったのが、この旧キットには武器がついていなかった。
二連ビームガンと対艦ミサイルをそれらしく準備した。
二連ビームガンは、「イエローサブマリン」などで売っているばら売りのジャンクパーツをストックしてあったので、それらしい二連のライフルをチョイスした。
対艦ミサイルは、プラ棒からの切り出しとウェーブのバーニアのパーツなどから自作した。
8つ作らなければならなかったので大変だったw
シールドの自作
ミサイルも苦戦したが、一番苦戦したのがシールドの自作である。
やはり、前日のジャンクパーツから円形のパーツを見つけてベースとした。
ベースとしては使えたが、空洞部分が多くプラバンを貼ったりしてそれらしく作った。
プラバンやリード線などによりディテールの追加
パラスアテネは通所の1/144のガンダムなどに比べるとかなり大きめの機体である。
表面積も多いため、のっぺりとした面が多く少し寂しい。
また、旧キットなので合わせ目でかなり段差が出る。
面倒くさがりなので、合わせ目を消すために特に合わせ目が目立つ部分にプラバンを貼っていった。
また、黒のリード線を引き回してディテールを追加した。
以上の改修を行った結果
という改造を加えて、ざっくり作り上げたのが以下である。
最初の元キットの画像に比べると大分印象が変わったのではないだろうか。
このキット、顔はひどかったが、ボディのできはそこそこ良く、少しいじっただけでそれなりに恰好いいプロポーションである。
↓この画像時点ではまだ武装を追加してない。
↓武装追加してプラバンでディテールアップした状態
塗装フェーズ
旧キットは最近のガンプラのようにパーツごとの塗分けがされていない。
全塗装が基本である。旧キットはこの塗装でかなり出来の恰好よさが変わってくる重要なポイントである。
下地塗装
最近のお気に入りは黒サーフェーサーである。
モビルスーツの武器や、黒い部分は大体これを吹き付けて、サーフェーサーそもののの色味をそのまま残せばさらなる塗装は不要である。
ただし、シンナー臭がそこそこするので換気には注意したほうがいい。
↓黒サフを全体に塗った状態
Mr.フィニッシングサ-フェ-サ-1500 ブラック スプレ-タイプ GSIクレオス
ベース色の塗装
こんかいはキャンディ塗装にすることにした。
下地にシルバー系で塗装して、クリアー系の塗料で上塗りすることで、色付きキャンディのような色合いの塗装になる手法である。
黒い部分はベースの黒サフの塗装を残し、一部シルバーの分を残してマスキングテープを使用して塗分けを行た。

わたしが使用しているのはタミヤのマスキングテープ。テープの貼りが甘いと塗料がにじんでしまうことがあるため、色の境界線部分はすきまなく貼るようにしている。
しかし、思っていた位置に貼れておらず、塗分け位置がずれるときがあるので、そこは上から筆塗りで塗装しなおすか、墨入れ時に汚しを入れてごまかすのがわたしのテクニック(?)である。
↓ベース色が塗り終わった状態
↓アニメだと黄色の部分は金色で塗装した。
墨入れ
大まかに色を塗ったら墨入れである。
わたしはタミヤのびんの流し込みタイプの墨入れ塗料を頻繁に使っている。
キャップに筆がついているので、そのまますっと流し込めるので便利である。
はみ出た部分や色を濃くつけすぎた部分はエナメル系の溶剤を綿棒につけて、ふきとれば、線が綺麗に残る。
デカール貼り
ガンプラの恰好よさをアップする手段のひとつはデカール貼りである。
ゼータガンダム用の汎用デカールを使用した。
アニメの設定はあまり気にせず直感で合うものを貼っている。
見ずにつけたデカールを爪楊枝を使って台紙からプラモデルへ移動し、位置が決まったら綿棒で余分な水分をふき取っている。
↓デカールは汎用のものが使える。今回はZ/ZZ用を使用。
仕上げ
肩にある目のようなところは、100均一で買ったスマホなどをデコレーションするジュエルシールのピンクを張り付けた。
完成
完成したキットがこちらである。
なかなか理想のポロポーションが出来上がった!
最後に
少ない改造で旧キットをいかに格好良くリメイク出来るかを目標とした。
改造することで、想像していたよりいい雰囲気で出来た。
ガンプラがなかなか手には入れない現在、旧キットをアレンジするのもありかなと思った。
過去に最初のガンダムのGアーマーやメタスの旧キットのアレンジもしているので興味あればぜひ見て行って欲しい。

旧キットを改造する内容はシリーズとして今後もつづけていきたい。
コメント