ジャーマン・ゴア・ムービー『フラワーズ / フラワーズ2 ノワール』レビュー(2020/12)

インディーズゴアレーベル”VIDEO VIOLENCE RELEASING”様より『フラワーズ / フラワーズ2 ノワール』が届いた。(2020/12/23)

インディーズゴアレーベル”VIDEO VIOLENCE RELEASING”様より『フラワーズ / フラワーズ2 ノワール』のBlu-rayが届いた。
1作目の『フラワーズ』を鑑賞したので、簡単に作品について紹介。

届いたもの

『【数量限定生産】フラワーズ / フラワーズ2 ノワール :W.I.G.H. FILMFEST LIMITED EDITION』

監督はフィル・スティーヴンス。
『フラワーズ』および続編『フラワーズ2』のモノクロ(ノワール)版ダブル本編をBlu-ray1枚に収録。
モノクロ版は監督が自らその世界観に合わせて調整して編集した、後述するWIGH映画祭開催記念として作られた全世界未公開のレアバージョン。
限定生産で終了したら廃盤とのこと。

以下サイトで購入したが、2020/12/24 19:00の時点で既に完売。
”VIDEO VIOLENCE RELEASING”サイト

フラワーズ(2015)

屋敷の中でそれぞれに目覚める6人の女性たち。
そこは汚物と死体にまみれた場所だった・・

女性たちが目覚めるのは汚物と死体にまみれた場所。
しかも、はいずりまわらなければならないくらい天井の低い場所(しかも足元は汚物の水溜まりとなっている)または、横の壁が極度に狭くて暗い場所である。

たまに隙間から明かりのついた部屋をのぞきこんだりするが、そこには骸骨がオブジェのように並べられていており、さながら悪趣味な死の展覧会である。
※『悪魔のいけにえ』のソーヤー一家の家のようだ。

見たバージョンは白黒(オリジナルは茶系セピア色)のながら、見ているだけで腐臭が漂ってきそうな印象だ。

また、本作での音響はくぐもった音がずっと鳴っており、昔スキューバダイビングをやっていたときに聞いたような水中の中に居るような感覚である。

彼女たちは汚物の中をはい回る姿はさながらダンテの『神曲』での地獄絵図のようである。

ときには、ユニットバスといった部屋に閉じ込められている女性もいる。
そして、その部屋の浴槽や便器には牛の頭や死体が転がっている。

そして、彼女たちの胸にはY字切開した後のような縫いあとがあるものもいる。何をされたのか?不気味なものを想起する。

しかし、なぜか汚物や腐臭にまみれた映像がふと美しく見える。恐怖と死を隣り合わせにした彼女たちに退廃的な美しさを感じるのである。

彼女たちは汚物の中の花たち(フラワーズ)なのだろうか。

インディーズゴアレーベル”VIDEO VIOLENCE RELEASING”とは

ヒロシニコフさん主催の『レア&オブスキュアなゴアムービーを発掘しオフィシャルリリースするアンダーグラウンド・インディレーベル』

主催のヒロシニコフさんのそのほかの活動

2018年から活動し2冊の著書(ZINE)とワールド・インディペンデント・ゴア・ホラー映画祭を開催。

オラフ・イッテンバッハ読本(2018)

元歯科技工士で、ドイツの映画監督、特殊メイクアップアーティストのオラフ・イッテンバッハに着目したZINE(個人の趣味で作る雑誌)である。

オラフ・イッテンバッハは『バーニング・ムーン』『新ゾンビ』などのジャーマン・ゴア映画で名を馳せている。

ジャーマン・ゴア クロニクル Vol.1(2019)

オラフ・イッテンバッハ読本の内容をさらに広げ、ドイツの残酷ホラー30年史にまで切り込んだZINE。

『ネクロマンティック』のユルグ・ブットゲライトや『Violent Shit(邦題:マニアック2001)』のアンドレアス・シュナースといったドイツの監督などが紹介されている。

ワールド・インディペンデント・ゴア・ホラー映画祭

2020年12月5日(土) 『ワールド・インディペンデント・ゴア・ホラー映画祭(略称:WIGH映画祭)』がオールナイトで開催された。

残念ながら都合で参加出来なかったが、インディーズ・ゴアホラー作品が新文芸坐の大画面で流れたのは快挙である。

オープニングには今回紹介した『フラワーズ』(通常のカラー版)が上映された。
『ノクタ』が評判良かったので、いずれ見てみたい。(2021年ブルーレイを購入し鑑賞出来た)

上映作品
・フラワーズ
・ゾンビーズ・フロム・セクター9
・クリプティック・プラズム
・ノクタ

最後に

私がヒロシニコフさんの名前を知ったのは、オラフ・イッテンバッハ読本である。

本ZINEを目にしたとき、あまりのジャーマン・ゴア熱量の高さに圧倒された。

その熱量が冷めきらぬまま、ここ数年でインディーズ・レーベルを立ち上げ(凄いことに日本語字幕なども自分で翻訳し入れているようである・・)、なんとゴア・ムービーを劇場の大スクリーンでの上映開催まで持ってきた手腕は驚くべきである。

今後も”VIDEO VIOLENCE RELEASING”レーベルの動向に着目していきたい。

“VIDEO VIOLENCE RELEASING”レーベル
・ツイッター:@ReleasingVideo
・公式サイト:”VIDEO VIOLENCE RELEASING”

 

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