12月31日。2020年の大晦日。
「今年最後のブログ記事は何にしようかなぁ」と考えたところ、ふとイメージとして降りて来たのが、ドニー・イェン主演のイップマン・シリーズである。
子供の頃、ブルース・リーやジャッキー・チェンの映画を見たときに『こんな連中やっつけちゃえ!』と思うような卑怯な奴らに対して、憤りを溜めに溜めながら、クライマックス・シーンで爆発させてカンフーでこてんぱんにやっつけるシーンは『どうだ!』とすっきりした。
その感覚を久しぶりに思い起こさせてくれたのがイップマン・シリーズだった。
また、誠実で謙虚なイップマンの姿に感動する作品でもある。
イップマン・シリーズについて
中国の武術家でブルース・リーの師範であったイップマン(葉問)にスポットをあて、中国拳法の詠春拳を通して、家族や友人との絆や国民の団結を描くドラマ。
以下の4作品が作られ完結している。
イップ・マン 葉問(2010)
イップ・マン 継承(2015)
イップ・マン 完結(2019)
また、継承に出て来たイップ・マンと対決する詠春拳の達人の張天志(マックス・チャン)が主演のスピンオフ『イップ・マン外伝 マスターZ(2018)』が作られている。
イップマン(葉問)を演じるのはドニー・イェン。
真摯で謙虚な役柄である。
詠春拳の所作がいちいち恰好よい。特に高速パンチの連撃シーンは印象的である。
堅実な妻の張永成を演じるのはリン・ホン。
身長がすらっと高く(179cm!)美人でお気に入りの女優である。
イップマンと対立する側の役者も素晴らしく、サモ・ハン・キンポー、マイク・タイソン、スコット・アドキンスなど早々たる格闘家たちである。
ウィルソン・イップが監督をつとめる。
すでに『SPL/狼よ静かに死ね(2005)』、『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート(2006)』でドニー・イェン主演でタッグを組んでいる。
アクション監督は1作目と2作目がサモ・ハン・キンポー、3作目と4作目をユエン・ウーピンが担当しており、迫力の格闘シーンである。
また、音楽はシリーズ全て日本人の川井憲次が担当しており、ドラマチックな雰囲気を与えている。
シリーズを通して面白いのだが、少し難点を感じたのは以下について2点である。
まずは1点目。1作目の序章では、日本軍の領土占領、4作目ではアメリカ軍の部隊の格闘技で空手が教えられており、日本が敵国として描かれているので複雑な心境になる。
また、2点としてはワイヤー・アクションが『マトリックス』のようでやりすぎに感じるところもあり、少しリアリティにかけるときがあった。
とはいえ、全作を通して、イップ・マンの生き方が、己の信念に徹しており。家族や隣人への普遍的なものであることから、心が打たれる内容である。
最後に
4作品とも素晴らしいが、特に2作目の”葉問”と3作目の”継承”が特に面白かった。
”葉問”では洪拳の師範(サモ・ハン・キンポー)とのバランスの悪い丸テーブル上のタイマン対決、”継承”では地元のボス(マイク・タイソン)のヘビー級のパンチとの対決シーン、同門の張天志(マックス・チャン)が熱い。
賛否両論あるかもしれないが、イップマンの弟子であったブルース・リー(を演じる役者)も登場する。
また、3作目の”継承”の妻とのエピソードも泣けること請け合いである。
カンフーアクションを楽しめ、イップマンの仁義に感動し泣けるオススメシリーズだ。
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