年末に見た映画だが、年越しでの紹介である。
あらすじ
天才的な発明をして富豪となった科学者だが、支配的なエイドリアンの束縛に悩まされるセシリア。
エイドリアンの監禁生活からなんとか逃げ、友人の家に身を寄せつかの間の平穏な日々を取り戻す。
やがて、セシリアはエイドリアンが失意のため自殺したという話を聞き、莫大な遺産が転がり込むことになる。
しかし、セシリアの身の回りで少しずつおかしなことが起こり始める・・・
主演エリザベス・モス
1982年7月24日生まれ。アメリカの女優である。
『17歳のカルテ』『アス』などに出演。
海外ドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』で主演しエミー賞の主演女優賞を獲得している。
監督リー・ワネル
2004年に監督ジェームズ・ワンと組み大ヒットとなりシリーズ化された『ソウ』の脚本を書く。
また、『ソウ』では死体の倒れている密室で鎖でつながれ、同様に鎖につながれている外科医とともに目を覚ます若者の役で主演している。
他にはインシディアス・シリーズの脚本も書いている。
『インシディアス序章』、『アップグレード』で監督を務める。
特に『アップグレード』は独特のストーリィが面白かったので本作は期待していた。
映画について
これはとても恐ろしい映画である。
小さな違和感からはじまり、恐怖がじわじわ侵食してくる。
真綿で首をしめるようにヒロインを追い込んでいくのである。
ヒロイン同様『この画面のどこかに透明人間がいるのではないか?』とついつい目を凝らしてしまうのである。
ヒロインに親身だった友人たちも、『こいつ何言っているんだ?』だんだんとヒロインの言っていることに信用をしなくなっていくのも怖い。
脱線するが、同じようにヒロインが言っていることが『嘘ではないか?』と周りが疑心暗鬼となる映画が『バニー・レークは行方不明』である。
ヒロインが連れて来たはずの娘のバニー・レークが行方不明となり、必死の捜索をするのだが、見たはずの人たちが誰も見ていないと証言していくのである。これはなかなか面白かった!
原作はH・G・ウェルズの『透明人間』であるが、現代風にかなり脚色されている。
本作は元はユニバーサルの怪奇映画を復活させようとしたダーク・ユニバース企画の1作品だったが、ダーク・ユニバース『ミイラ再生』のリブート版である『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』が興行的には振るわなかったため、単独の作品として公開された。
透明人間映画として思い浮かぶのがジョン・カーペンターの『透明人間』、ポール・バー・ホーベンの『インビジブル』である。
透明人間は人体が透明化するので、全裸でないと見えてしまうという欠点があるが(冬場は特に寒そうな気がする)本作ではSF的アプローチで解消している。
最後に
リー・ワネルが『ソウ』の脚本・主演だったということに気づかなかった。
監督作である『アップグレード』や本作がとても面白いしスリリングだったので、次回作が楽しみである。
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