アメリカ映画監督、脚本家、芸術家、ミュージシャンで俳優という多才なデヴィッド・リンチ
平穏な日常の中に突如として顕現する闇。
ストーリーの整合性などを考えながら見ると頭がショートしてしまう。
悪い夢を映像化したような映画を撮るデヴィッド・リンチ監督。
いつものように持てる限りの宣材を駆使して、広く浅く紹介!
本記事を読むことで、デヴィッド・リンチのかんたんなプロフィールと関連作品をざっくりと知ることが出来る。
※パンフレットは探す時間がなかったので割愛
デイヴィッド・リンチについて
1946年1月20日アメリカのモンタナで生まれる。
自家栽培したコーヒーを愛飲し、瞑想を日課としている。
主な監督作品
イレイザーヘッド(1976)
完成まで苦節5年かかって、生み出された作品。
モノクロ作品であるが、シュールな映像が満載。
どう作ったか謎の異形の赤ちゃんが不気味。
エレファント・マン(1980)
デヴィッド・リンチの作品を初めて知った作品。
劇場公開時は、泣ける感動作という印象を前面におしだして宣伝していた印象がある。
宣材にあるマスクの下が気になって小説版を買った。
テレビで初鑑賞時は切なくなった。
デューン/砂の惑星(1984)
当時大好きだったロックバンド”TOTO”が音楽ということと、SF映画がこの時期、大好きだったので期待していた作品。
原作はSF作家フランク・ハーバートの6冊にわたる長編小説で、それを映画1本にまとめるには難しくダイジェスト版という印象は否めない。
ところどころにデイヴィッド・リンチらしい悪趣味なシーンがある。
<おまけ>池上遼一氏のイラスト版チラシ
ブルーベルベット(1986)
ちぎれた耳が地面に落ちているところとデニス・ホッパーが吸入器でスーハーするシーンが印象的。
ツイン・ピークスでクーパー捜査官のイメージが強いカイル・マクラクランが大学生役で出演。
のちに、リンチ映画の常連女優となる、ローラ・ダーン(父親は『ザ・ドライバー』のブルース・ダーン)
謎の女性はイザベラ・ロッセリーニ(母親はイングリッド・バーグマン)
ワイルド・アット・ハート(1990)
恋人の母親から殺し屋をさしむけられた男と恋人
二人の逃避行を描くロードムービー。
ウィレム・デフォーの死にざまが悪趣味で衝撃的だった(ほめている)。
ニコラス・ケイジとローラ・ダーン主演。
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ツイン・ピークス※パイロット版(1989)
ツイン・ピークス(1990~1991)TVドラマ
日本でもツインピークス・ブームを巻き起こした大ヒット作ダークドラマ。
女子高生ローラ・パーマーの死体が発見されたことで、平穏な田舎町ツイン・ピークスで起こる悪夢のような騒動を描く。
シーズン2まで作成された。
オン・ジ・エアー(1991)TVシリーズ
視聴率が取れず、すぐに打ち切りになってしまったTVドラマ。
国内では全3巻のビデオが出ている。
ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間(1992)
ツイン・ピークスの美しき死体ローラ・パーマー最期の7日間を描く劇場版。
ララ・フリン・ボイルに代わって、モイラ・ケリーがドナ役を演じている。
デヴィッド・リンチの ホテル・ルーム(1993)TVM
3つの時代を背景に同じホテルの同じ部屋で起きた奇妙な出来事を描くTV作品。
リンチは3話中で”トリック””停電”を演出
ロスト・ハイウェイ (1997)
サックス奏者のフレッドはある日、ドアフォンの向こうから『ディック・ロラントは死んだ』という声を聞く。
劇中、フレッド夫妻の家の外観を盗撮したビデオが送られてくるが、それはエスカレートし、家の中で夫婦を寝ているところの盗撮映像が投函されたのにはゾッとした。
O.J.シンプソンの事件から発想を得たストーリィだが、頭がついていかず、混乱する内容だった。
ストレイト・ストーリー(1999)
老人が芝刈り機に乗り360Kmの遠路を、病気で倒れた兄へ会いに行く。
リンチにしては変わり種の人情ロードムービー。
実話をもとにしている。
マルホランド・ドライブ (2001)
ハリウッドが一望出来る夜のマルホランド・ドライブ(道路)
ここでの自動車事故で記憶喪失となってしまった彼女は有名な女優の家に転がり込む。
ナオミ・ワッツとローラ・ハリングが主演。
インランド・エンパイア(2006)
ハリウッド女優ニッキーは、映画の主役の座を射止める。しかし、この映画はポーランドのいわくつきの映画のリメイク作品だった。
やがて、彼女の周辺で不可解な出来事が発生する・・
ローラ・ダーン主演。ゲストでナスターシャ・キンスキー、マイケル・パレ、裕木奈江が出演している。
ツイン・ピークス/The Return:シーズン3(2017)
殺されたローラー・パーマーがクーパー捜査官に”25年後に会いましょう”と語ったとおり、25年後に作成されたシリーズ3弾。
関連作品
ナディア(1994)製作総指揮、出演
美貌の吸血鬼ナディアとその双子の兄弟エドガーの二人と、それを追う医師(ピーター・フォンダ)を描く映画。
監督はマイケル・アルメレイダ
ナイト・ピープル(1997):ドキュメンタリー
ミッドナイトムービー(2005)ドキュメンタリー
参考書籍
フィルム・メーカーズ/デイヴィッド・リンチ
キネマ旬報社
『ストレイト・ストーリー』が新作映画として紹介されたときの書籍
ツイン・ピークス究極読本
滝本誠、高橋ヨシキ監修
まさに究極読本というべき書籍
シーズン3までのエピソードが全て解説されている。
最後に
ストーリーの整合性などを考えながら見ると頭がショートしてしまう、まさに悪い夢を映像化したような映画を撮るデイヴィッド・リンチ監督。
近年も”DAVID LYNCH THEATER”というyoutubeチャンネルを持っており、精力的に活動している。
余談だが
元妻で画家のペギー・リンチとの間に娘で映画監督のジェニファー・リンチがいる。
デビュー作が『ボクシング・ヘレナ(1993)』。
青年医師が目の前で事故にあって重症の憧れの女性ヘレナの両手両足を切断して、愛を勝ち取るために監禁するというスリラー映画。
『ツイン・ピークス』のシェリリン・フェンがヘレナを演じる。
確か、国内未ディスク化作品。
他に『サベイランス(2007)』『チェインド(2012)』などを監督している。
この父あってのこの娘ありという作品で今後の活躍に期待したい。
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