『ゾンビ(1979)』2019/11/30「ゾンフェス」レポート【後編】

2019/11/30(土)にマクラウドさん主催のゾンビフェスティバルVol.1(通称ゾンフェス)が開催された。
『ゾンビ』は生涯ベストワンの映画なので迷わず参加した。

今回は新ブログ作成3か月を経過し100記事超え記念ということで、ちょうど1年前に旧ブログで書いた内容を新ブログへ移行してみた。少し文書を見直した。

今回は「ゾンフェス(後編)」
前編はこちらの記事を参照願います。

海外ゲスト2人からの貴重な当時のトークを中心に記録を残したのでファンには参考になるはず。

内容についても触れているので、知りたくない人は映画を見てから読んでください。

今回はかなりの長文なので【前編】【後編】に分けました。
時間があるときに少しずつで良いのでお読みください。

 

海外ゲスト、個別インタビュー

【ゲイラン・ロス(フラン役)のトークショー】

・役柄について

監督のジョージには役として強い女性でありたいと訴えていた。

叫んだり、泣き叫んだりはしない役のはずが、飛行機の格納庫で叫んでいるシーンは入っている。
これはジョージが編集で勝手に加えたシーンでゲイランの声ではない。

また、演出的に強さが足らないと思い、そこで彼女が付け足してもらったのが「フライパンはないので朝食を作ってあげることは出来ないが、そのかわり、ヘリの操縦と銃の撃ち方を教えて欲しい」というシーン。

・エピソード

撮影のシーンではなく移動のためヘリコプターでキャスト4人で移動するときに皆役柄がしみこんでしまって、ヘリコプターがとても揺れた際、ケンは静かに座っていて、スコットはずっとジョークをしゃべり続け、デイビッドは吐いていた(一同爆笑)

ビルの明りが消えていくシーンがあるんだけど、あれは台本にはなくたまたまそのタイミングの偶然だったそうだ。(一同驚き)
※このシーンも演出と思っていたが偶然というのにはびっくり!

特殊メイクされたゾンビの人とは一緒に撮影するシーンはなかった。
それで、いきなり映画を初めて見たとき大丈夫だったの?という質問。

映画を初めて見たときは、特殊メイクの映像を何度も見る機会があったので特にゴアなシーンの驚きはなかった。
編集前の映像と出来上がった映画は別物でユーモアな面白さ(ヘリから見た軍隊、パイ投げシーン、血圧をはかるバイカーなど)を感じたそうだ。

・ゾンビを片付けた後のメイクアップなどの安息のシーン

究極の暇をもて遊ぶシーン。ジョージ(監督)からしてみれば大型スーパーの広告やCMがどれだけムダというメッセージが込められていた。
主人公たちは怠惰な生活を送っていたけど、反対にバイカーたちはモールの独占をとても楽しそうにしていた。

・本作のコンセプトについて

ジョージ監督は一切話さなかった。
監督が何をコンセプトにしたいかは皆分かっていた。
大きな理由としてショッピングモールで撮影したから。
私たちも役者として何をすればよいか理解していた。

・ジョージ・A・ロメロ監督について

演技などについて質問してもどうなんでしょう?あなたはどう思いますか?と逆に聞いてくる監督だった。穏やかでとても優しい方で言葉をあまり話す監督ではなかった。

一般的な映画だと撮影が終わるとみんな疲れて終わるものだけどゾンビでは役者、キャストはみんな楽しんでいた。
監督が言葉少ないからかも知れないですが、逆にみなの方から監督にオファーする雰囲気だった。

ジョージはキャメロットという理想郷を思い描いていた。
彼が一番理想に近い形に作られた映画が「ナイトライダーズ」でお気に入りの作品だった。

彼とはずっと長い間友人関係をつづけてきた。
彼がずっと思っていたのは社会への貢献と民主主義だった。

ここでノーマン氏が発言。私は「ナイトライダー」を14回見ました(笑)
トム・サヴィーニに伝えたら「あなただけだよ!」と言われました(爆笑)

もう1つジョージ監督が大好きだった映画は「マーティン」だった。
監督がとても吸血鬼の気持ちに寄せていて感情を入れていた。
ワーキングクラスを吸血鬼にすることによって社会的な公平性について疑問を投げかけていた。

・最後に一言

40年前には、このようなイベントは想像出来なかったでしょうか?という質問にもちろんそう。ジョージ監督ですらもそうは思わなかったでしょうと回答。

世界中で世代関係なくさまざまな人たちに愛されていることに驚いている。
世代の方によってはホラー映画として見えるがユーモアのある映画としても見ることが出来る映画である。
そして、この映画が出てきたことによって、その後の続いていくゾンビ映画のきっかけになったことが本当に素晴らしいことだと思います。という言葉で締めくくった。

【ケン・フォーリー(ピーター役)のトークショー】

・スコット(ロジャー役)とのダイナミックな共演について

ケンもスコットも緊張してアドレナリンが出たり役柄を演じ切ろうという意識は強かった。

とにかく仕事が必要でスコットも同じだった。
この役をもらうのが二人とも嬉しくてピッツバーグについたときに、とにかくよい関係を築こうとしていた。
かつ、お互いを知ろうとしていた。
二人ともSWATの警官でプロとして必要に迫られていた。

撮影以外で友達になろうとしていた訳ではないがSWATのユニフォームを着てゾンビと戦い始めた瞬間、(一つの)チームになっていた。

・撮影中のエピソード

ロジャー(スコット)が劇中で死んだあともスコットは現場に残っていたの?という質問。
撮影場所には最後まで残っていたとの回答。

モールで乗り回す車が車屋から直接借りたものだったので、壊さないようにとにかく気をつかっていたというエピソード。
モールの中のものも同様ということで。壊すと損失になるので予算を気にしていた。
※映画では結構、派手にモール内を荒らしているように見えるが当然ながら気をつかっていたのだ。

苦労話について。ケンのテーブルにゾンビでのオフショット写真が飾ってあるのだけど朝3時くらいの撮影時の写真を良く見る(表情や座り方など)と疲れ具合がわかるとのこと。4人がベンチに座っているオフショットで簡単な撮影でなかったのはその写真が物語っている。
寝る時間もずらさなければならなくなり、最初は楽しかったけど1か月あとになるとこんな感じだ(笑)

フランシーンとの中絶の会話はアドリブ?
ケン:「いや違うよ!」(一同爆笑)

・ジョージ・A・ロメロ監督について

ジョージの台本を読むと彼がどんな人物か分かる。
撮影現場で一人になってじっと考えるタイプだった。
彼はユーモアにあふれている人。
みな問題に囚われても彼は囚われない人だった。

人によっては違う関係性をきずいていた。
ナイトのプロデューサーの人とかは違う関係性だったと思う。

何をしたいのか指示をくれた。
いつも「角を曲がれ」という感じの指示で、こうすればいいのか?という質問を毎回ジョージにしていた。
他のキャストも必ずジョージとは自分のキャラクターについて聞いたり、グループで話す時間はいつもあった。

キャスト、内容全て完璧だった。たまに物事はうまくいくことがあるよね。

・最後に一言

なぜこの映画が成功したかと言われると全員の間でうまくいったから。
僕らが素晴らしい俳優だったわけではなくて全員が素晴らしかった。

人によってはこの映画以降出ていない役者もいる。
あの瞬間、あの映画ではうまくいってキャスト、内容全て完璧だった。たまに物事はうまくいくことがあるよね。
理由を述べるとしたら、とてもとてもラッキーだったのではないかと思う。

クロージング

最後の挨拶に2人が登壇。

ゲイラン:
「この数日間素晴らしい日付になりました。
そして皆さんのおかげで今日も1日素晴らしい日でした。
色々な方々と一緒に写真を撮ったりサインをさせて頂いたりしてとても楽しかったです。
楽しかったので50周年またずにまた来年をやりましょう!」(拍手)
と来年を期待させるトーク。
※COVID-19によりかなわぬ夢となったが、世の中が落ち着いたらぜひ実現して欲しい。

ケン:
一生懸命覚えた日本語で次のように答えてくれた。
「わたしは滞在中」「沢山のファンがエンジョイしてくれました」
「みなさんまたお会いしましょう」(拍手)

そして、主催のマクラウド白石さんからの締めのお言葉
「クラウドファンディングをしてくれた皆さんが居て、もちろんノーマン・イングランドさんが居なければこんなコネクションはなかったので、本当にありがとうございました。」

「ノーマンさんに向けて盛大な拍手!」(大拍手)

ケン・フォーリーさんと、ゲイラン・ロスさんが去った後

最後の隠しネタ

マクラウドさんが持参した『ゾンビ』でも使われていたの主人公たちが立てこもる屋上部屋にあった箱、中身は当時もののアルミ缶。
現場では凄く苦戦していたが、なんとか開封出来た。なんと、中身はクラッカー。
最後までとても盛り上がった集まりだった。

イベントの参加者について

・イベントの参加者

イベントの合間の休憩時間に、常々、直接お会いしたいと思っていた『血みどろマッスルビルダー』の監督である深沢監督@doragodonと少し話が出来た。

行きたくても遠地や仕事などで参加出来なかったメンバーには残念だったが、本イベントは『ゾンビ(1979)』を長年好きなメンバーが集まっているので、ツイッターでの知り合い(何度かお会いした方やツイッターのみでお会いしたことない方)も沢山参加しているようだった。

・イベント後

お仲間たちと余韻に浸りました。こういった集まりもいまは出来なくなってしまったのが残念です。

最後に

※【前編】と同じ記載となるが。

現在のCOVID-19の感染拡大状況では、こういったイベント(特に海外ゲスト)を呼ぶことは、ワクチンなどで落ち着くまでは実現出来ない夢となってしまった。

ちょうど1年ちょっと前にこのようなイベントに参加することが出来たのは幸運だった。

子供の頃からのトラウマ映画で生涯ベスト1となったホラー映画のゲストにまさか会えると思っていなかった。主要メンバーに会うことが出来たのは奇跡だったと思う。

(行きたくても)参加出来なかったメンバーも多かったので、当時の一端がこの拙いレビュー記事で少しでも伝われば幸いである。

また、この場をお借りして、このイベントを主催してくれたマクラウドさん(@macleod1997)、ノーマン・イングランドさん(@normancengland、海外ゲストの2人、国内ゲストの方、スタッフの方々に御礼を申し上げたい。

ありがとうございます!

<U-NEXT>

<TSUTAYA-DISCAS>

<amazon プライムビデオ>

Amazonプライム「30日間の無料体験」はこちら。

コメント

タイトルとURLをコピーしました